REKYUSU PROJECT

おいしいお茶を淹れられない自分発見

おいしいお茶を淹れられない自分発見

 

私は狭山茶の生産地として知られている埼玉県狭山市に30年以上住んでいます。自宅の塀の隣には茶畑が広がっています。お茶を楽しむには絶好の場所でしょう。

しかし、私は、おいしいお茶を淹れて楽しむための努力を全くしないで、おいしいお茶を飲めないことに漠然とした不満がありました。お茶は大しておいしいものではないという固定観念がありました。

自分が定年になって現役から退いたとき、犬(ちなみに犬の名前は「セラ」です。)と散歩できるゆとりの時間の中で、せっかく狭山茶の産地に生んでいるので、おいしいお茶を淹れるためにはどうすれば良いのか、自分なりに考え、行動を開始しました。

最初に、お茶の専門店に行って、おいしいお茶を探していることを相談しました。

実際に試飲させて頂き、まあこれ位の味ならいいか、と思いお店で勧められた茶葉を買い、自宅に帰って急須で淹れたところ、お店で試飲した味とは全く違うまずい味になりました。

再びお店に行って相談したところ、急須が悪いのだからこちらの急須を使うとおいしく淹れられると勧められ、“本当かな?”とは思ったものの、試しに買って帰りお茶を淹れてみました。

結果は同じで、到底おいしいとはいえない味でした。

 

狭山市では、毎年11月初旬に稲荷山公園で大茶会のイベントが開催されています。そこに参加してお茶の専門家が淹れたお茶を頂きました。旨味のある濃い味だったことを記憶しています。

帰りに、茶園から品評会に出品された茶葉だと勧められた煎茶と玉露を買って、家で淹れてみました。

結果は、煎茶も玉露も同じような味で、自分の期待したおいしい〈旨味のある〉味ではありませんでした。玉露は煎茶の2倍の値段(単位重量当り)ですよ。許せますか?

さすがにここまで体験すると、「お茶は淹れ方によって味が違うこと」、「自分にはおいしく淹れる技能、熟練がないこと」を明確に認識しました。

 

 

おいしいお茶とおいしい淹れ方を求めて

 

陶磁器製の急須を使い、数種類の茶葉をいろんな条件〈量、温度、等〉で淹れて見ました。少しおいしいと思う味は出せても、同じ条件で淹れたつもりが同じ味にならないことが分かりました。

しかし、それ以前に、

茶葉の特徴通りの味は出せているのか?

何がおいしい味なのか?

どんな条件で淹れたとき、どんな味になるのか?

多くの疑問に突き当たりました。

そこで、茶葉だけでなく、実際にお茶を淹れてくれるお茶屋さんへ行って、お茶の味を試してみました。正直、おいしいと感じたところ、そうでもないと感じたところなど、色々あることが分りました。

また、淹れ方も様々であることを理解しました。

 

 

おいしく淹れられる急須を作りたい

 

「私でもおいしく淹れられる急須が欲しい!」と言う思いに駆られ、実際に急須を試作してみることにしました。

茶葉と水と急須と淹れ方、及び、人と環境を考慮し、急須で管理すべき条件と制度・正確さ等を検討しました。

電機量販店を何店かまわり、私が希望する形でお茶が淹れられる装置を探してみましたが、残念ながら使える装置はありませんでした。

後は自分で作るしかありません。

デパートや雑貨店や百均ショップで部品や材料を集めて試作しました。

 

試作をはじめて約3年が経ち、7世代目のサンプルを作成しました。

「私でもおいしく淹れられる!」急須を手作りで製作し、その急須の機能・性能・品質など、あるべき仕様が見えてきました。

 

誰でも美味しく淹れられる急須をお届けしたい

 

現在、量産化に向かって開発を進めています。

一日でも早く皆様のお手元にお届けして、美味しいお茶を淹れて楽しんで頂けることを願っています。

ご期待下さい。